Gの恐怖

ついに我が家で見つけてしまった…orz
思い起こせば約7年前の今頃、高校の部活の合宿から帰って来た私を待ち受けていたのは、部屋のあちらこちらをガサゴソ這い回るGの恐怖でした。
その夜のことはあまりに衝撃的で、そのあと一週間くらいGノイローゼ気味になり、執拗なまでに部屋にホウ酸団子をばら撒き、Gジェットを購入し、それでも恐ろしくてしばらく妹の部屋に寝泊りをし、その年の冬、Gが大人しくなる季節を見計らって、G撲滅を掲げ部屋中をひっくり返して掃除しまくったのも、今となっても決していい思い出ではありません。
しかも普段動かさない机やらベッドやらタンスやらまで動かし、屋根裏までチェックしたのに結局一匹も見つからなかったG。
多分、その年の夏にうちの近所で頻繁に古い家の建て壊しというか建て直しというかをしてたので、そのせいで流れ者がやってきたんだろうという結論に落ち着いたわけです。
そして日の目を見る事もなく、部屋にやってきた友達には「コレなんであるの?」といわれ続けたGジェット。
それがついに役立つ日がこようとは…!
ていうか、そんな日こなくていいからもう現れないでくださいお願いします。
奴らホント恐ろしい生き物ですね!
とりあえず今日、「GがいるんだけどGジェットってどこしまったっけ?」と母に聞いたら、母がさっくり片付けてくれたので私の手は汚さずに済んだんですが、その一部始終を横で見てたら、いやホントGは怖い。
さすが太古の昔から生きてる生物なだけはある。
Gジェットが生憎見つからなかったので、キンチョールで散々痛めつけた後、新聞紙でひたすらに叩き潰し、もうなんかよくわかんない汁とか出て床にへばりついて翅とかもぎ取れてる状態でさえ、まだ足とか触覚とか動かしてたからね。
ちなみにその後うちの母は、その状態のGを新聞紙1,2枚で掴み取り、手で握りつぶしてました。
母曰く、「Gは叩いたくらいじゃ死なない。最終的にはやっぱり手で潰さないと」とのことでした。
さっすがうちのマミー。
小さい頃、母の実家に泊まりに行って、お風呂場で未だかつて見たことのない大きさの(記憶が定かではないけど少なくとも体長5センチはあったと思われる)蜘蛛と遭遇し、泣きながら祖母にそれを訴えたところ、「あの子はおばあちゃんのお友達なのよ」と笑いながら語った人の娘なだけはあります。
未だにトラウマなんですけどどうしてくれるんですかおばあちゃん。
あー、あとなんか思い出してきたぞ、芋づる式に。
母の実家は山の中でほぼ自給自足な生活を営んでいたんですけど、裏の畑で祖母がなんか突っ立ってたんで、「おばあちゃん、何してるの?」って声をかけたんですよ。
そしたらね、なんと祖母の足元が緑色に染まってるんですよ。
「あのねぇ、アオムシが畑の野菜を食べちゃうからね、こうしてとってるんだよ」と、祖母は私の目の前で、畑の野菜についたアオムシを素手でもぎ取り、自分の足元に落とし、サンダルで踏み潰してました。
まだあるよ。山ほどあるよ祖母の家での恐怖体験。
折角だから全部出してみようか?
祖母の家のある山には、毛虫がいっぱいでたんですよ。なんか赤い色のやつ。
幼い頃の私はそれがいたく恐ろしくて、よく両親や祖母に泣きついてたんです。
その度に祖母は、「この子達はいっぱいいても何にも悪いことしないから大丈夫だよ」とかちっとも慰めにならない慰めの言葉をかけてくれたんですけど、あんまり私が怖がって泣くもんですから、仕舞いには、「ほら、けいちゃん、見ててごらん」と言って、足元を這い回る毛虫を片っ端からサンダルで踏み潰していったんですよ。
なんか汁を出しながらのたうちまわる毛虫たちを尻目に、祖母は「ホラね、こんなに簡単に退治できちゃうんだよ。けいちゃんも怖かったらこうすればいいんだよ」と言ってのけました。
…そろそろ脳が思い出すことを拒否し始めたので、このへんでいいですか。
最初から聞きたくないですかそうですかごめんなさい。
嗚呼恐ろしい。
聞くも恐怖、語るも恐怖、ていうか体験した私が一番怖かったよ!
小さい頃は、母がそんな実家で起こった様々な恐怖体験を聞かせてくれやがりましたので、幼心に本気で母の実家が怖かったです。
あ、また思い出したぞ。
うん、もういい。もう思い出さなくていいよ私の脳みそちゃん。
でも思い出しちゃったからには仕方ない。
みんなでこの恐怖を分かち合おうではないか!
私が育った家は、都内の社宅なんですけど、もう大分古いマンションで、壁はひび割れてるわ非常階段は錆付いてるわ廊下は雨漏りするわで、地震がくるたびに倒れるんじゃないかとヒヤヒヤしたものです。
そんなとこだから、当然Gとか当たり前のように毎年毎年出没したわけ。
うちの両親はハッキリ言って虫とかそういうのに恐怖を感じる気持ちが全く理解できない種類の人たちなので、Gが出没しても、「とりあえず娘達がうるさいから始末する」とか、「たくさんいると不潔っぽいから始末する」とか、「目障りだから始末する」とか、そんな感じで、要するに気が向いた時だけ始末してたわけです。
あとは放置。
もうマンション中Gだらけで手遅れだったしね。
ちうわけで、小さい頃、やっぱGが好きな女の子というものはなかなかいないもので、ご他聞にもれず私もGは大嫌いだったんですが、どんなに泣いて訴えても両親の気分が乗らなければ何時まで経ってもGと同じ部屋で過ごさねばならず、かなり恐ろしい思いをしたものです。
仕舞いにゃうちの両親、「そんなに嫌なら自分で退治しろ」とか言って新聞紙渡してきたりするからね。
いや、嫌いで怖くてどうしようもないから泣いてお願いしてるんですが……しかも新聞紙って接近率めちゃめちゃ高くないですか…。
でもそんな両親のおかげで、「G怖いよう」ってどんなに泣いて人に訴えても駄目なんだ、Gが嫌なら自分でぶっ殺すスキルを身につけないと生きていけないんだ、ということを心の芯から学ぶことが出来ました。
ちなみに新聞紙でG退治は何度かトライしたこともあったけど、Gのあまりのすばしっこさに私のとろくささではどうにも太刀打ちできず、未だに一度も新聞紙で退治できた試しがありません。
それにしても今にして思えば、女の子だったら別に「G怖いよぅ」とか言って泣いて影に隠れるのも、それはそれで男からすればか弱くて魅力的な要素の一つになって良かったのかもしれないなぁ。
小さい頃はいろんなことに泣いて怯えていたのが嘘のように、今ではいろんな怖いものを克服してしまったからなぁ…。
それでもやっぱり、こんな感じの昔の恐怖体験とか、母から聞いた恐怖話とか、そういうのを思い出すと、やっぱり怖くなるあたり基本は昔のまんまなんだなぁとしみじみ感じてみたり。
こえーんだよ、あの人の話はマジで。なにせ全部実話だから。
ゴキ…おっと、Gの巣を見つけてしまった話とか、夜中に台所に行って飛び回るGの群れと遭遇してしまった話とか、Gホイホイにかかった山盛りの生きたGをどうしようか困った話とか、リアルすぎて怖い。
それを幼少の虫嫌いの娘に聞かせる心境がよくわからん。
ちなみに、うちの母本人の証言によれば、母がこの世で怖いものは蛇と百足と熊くらいだそうです。
ちなみに、ライオンとかそういう猛獣系は普通に暮らしてて遭遇する可能性が全くと言っていいほどないから「怖い」に入らないんだとか。
ちうか普通「熊」もなかなか生活圏でお目にかかれないと思うんですがお母さん。
とりあえず、あんまり信じてもらえないけど、私は今でも虫は嫌いです。
かよわい女の子ですから。
いや私は今でもずっとかよわい女の子ですよ?
Gとか出てきたら、恐怖のあまりGジェットと昨日の新聞紙を探しちゃうくらい、かよわい女の子ですよ?
ちょっとこの日記書いてる間、横の壁を子蜘蛛が這ってたんで、恐怖のあまり思わずティッシュ片手に握り潰しちゃったくらい、かよわい女の子ですよ?
というわけでかよわい女の子っぷりをアピールしつつ、つまりは長々と何が言いたかったかというと。


ゴキは怖い。本気で怖い。


ということでした。
一匹見つけたら五十匹いるっていうもんなぁ…。
今年の冬は、また全部ひっくり返して部屋の大掃除しようかな。
そういや最近のGはあんまり飛ばないらいしけど、本当ですかね?