つくづく思う

私には、家事能力皆無の男とは結婚出来ない、気がする。
普段ならまだ我慢も出来る。
養って貰ってる身だし、母親が驚く程うちでは自分の身の回りのことは自分でやるように努力はしてくれてる。
しかし所詮元々は、家事が女がやるものでやって貰うのが当たり前な環境で育った人なので、家事が不得手な私から見ても家事に関しては無能と言わざるを得ない。
普段なら、まだ我慢も出来るんだ。
だけどね、私、今、体調を崩して自分の世話だけでもかなりいっぱいいっぱいなんですよ。
それさえも気付かない鈍さにはもう慣れたし諦めたけどさー…。
そしてどうせ気付いても何をしてくれるわけでもないし、例え何かしてくれたとしてもどうせ的外れで私の気苦労が増えるだけ。
だから、何もしてくれなくたって、良いんだ。
ただ…、ただね、こんな時、乱雑に適当に洗って放置された食器(後で私が洗い直して片づける)や、生ゴミの散乱したシンク(寝る前に必ず私が綺麗にする)、残飯が放り込まれたままの三角コーナー(後で私が生ゴミ専用ゴミ箱にまとめて捨てる)や、汚れたテーブル(後で私が台布巾で綺麗に拭く)、溜まったゴミや洗濯物(全部私が片づける)、そんな物を寝る前や朝一で目の当たりにすると、なんか…なんか……。
うっかり「実家に帰れ」とか言いそうになるんだよね。
自分の面倒みるので手一杯なのに人の面倒までみたくない。
言えないけどさー…。
仮にも、というか正真正銘相手はこの家の家主。
そんなこと言った日には「だったらお前が出ていけ」ですよ。
そして行き着く先はあの世ですねわかります。
あー、ホント、あのクソババァ、私が起こした事件で結局は一番得をしてウハウハ状態なんだろーなー。
家族の中の二大散らかし魔の一人を私に押しつけて、ついでに自分を嫌うウザい私も追い出せて、自分は実家で悠々自適生活。
こんな時くらい、父を実家で引き取って貰えませんかね…?
ていうか「私の監視役兼様子見役兼世話係」という本来の役割を全く果たせてない人と、同居する意味ってなくね…?
むしろどっちかってーと私がお父様の世話してますよね。
そして両親とも私が部屋で野垂れ死んでても気づかないくらい全く何も見てないですよね。
あーあ、結局さぁ、上手いこと利用されたんだよ、私。
不仲な両親の別居の言い訳に、丁度良かったんでしょ?
そんなようなことを面会室で母に聞いたら、黙った。
父に聞いたら、そんなことはない、いつかまたみんなで暮らしたい、そう言った。
綺麗事大好きな夢見がちな人だから、どうせ言ってるだけだろうと思った。
その通りだった。
もう、あの家に帰りたいとも思えない。
時間が解決することはあるのかもしれないけど、待っているだけじゃ手遅れになることもあるんだよ。
いずれこうなるだろうって、こういう生活が決まったと初めて聞いた時から、分かってた。
その時の私には選択肢なんかなくて、だから、いずれ私の心の中から居なくなるだろう家族を偲んで泣くしかなかった。
…と、言うわけで。
まぁ要するに私的にはもうあの人達はただのパトロン的存在で必要なのは金だけなので、一緒に暮らすというのはストレス以外の何物でもないんだよなぁと言うことなのです。
しかし世の中はギブアンドテイク、パパが私に金を貢いでくれると言うのなら、私も黙って世話くらいしましょう。
…うむ、私に未だ足りないのはこの辺の割り切りか。
そう、私にはもう家族なんていなくて、ただ金のために一人の男の世話係をしてるんだと思えば、例え体調崩して寝込んでる時に山積みの仕事(家事)があっても「何で私がこんな目に…」なんて感じないはず。
よしよし、この意気で今日も頑張ろう。
…うん、でも、私は、そうまでして、金を貰って養われたいのかな?
「生きたい」という気持ちは、目下捜索中なのです。
人はパンのみに生きるにあらず。
今の私を生かしてるのは、ささやかなヲタ精神だけなのかもしれない。