その3

乗れた!間にあった!!

ところで私、この旅行を結構ギリギリに決めたおかげで夜行バスがレディース号しか空いてなかったんです。
でもまぁいいか、と。
思ってたんですよね。
女だけなら、むさい男を視界に入れなくていいし、変な臭いとかしないし、静かだろうし、ちょっと高いけど良いことばっかだなぁなんて思ってたんですが、甘かった。
いえね、レディース号にわざわざ乗るような女って、もう今をときめくうら若い乙女ばっかなのな。
ちょっと考えれば分かりそうなことだったんだけどさ。
でね、そんな乙女に囲まれた非モテ婦女子代表の私。
……やばい、なんか緊張する。
あのな、周りがこうも乙女ばっかだとね、腹が減ったからって海老せんとか出してバリボリかじったり、同じ体勢に疲れたからって座席で胡座くんだり、そういうことができないのよ。
これが普通の夜バスだったら遠慮を知らないオバサンとか中年リーマンとかばっかで、こっちも遠慮しなくていいわけ。
でもここは違う。
ある意味物凄い居心地悪い。
言うならば、白鳥の群に放り込まれたアヒルの気分。
下手なことはできない。
この状況で朝までか…(´Д`;