めまぐるしい

静かに、穏やかに、目に見えないところで、大分私はおかしくなっていたような気がします。
今はとても落ち着いています。
なので、落ち着いて昨日の話でもしようと思います。
昨日、というより一昨日の未明、金曜日に今の仕事を片付けたら、土曜日に死んでしまおうと決意しました。
なるべく人様の迷惑にならないように死にたいと思い、色んな自殺方法をネットで探しました。
部屋で首を吊るか、練炭焚くか、腕を医療用メスか貝印の剃刀で思いっきり切るか、…薬の一気飲みは、前に何度も失敗しているので止めました。
そんなに量が貯まってないし。
首を吊る場所はどうしよう、練炭は部屋でも焚けるんだろうか、そもそもどこで買えば良いんだろう、七輪って高いのかな、失血死は腕がもげるくらい切らないと厳しいのかな、とか色々考えたり、調べたりしていたら、3時くらいになってました。
夜も遅かったので、自殺に役立ちそうな一昔前に話題になった某書をamazonで注文して寝ました。
次の朝、やっぱりというか何と言うか、寝坊しました。
これで先週遅刻せずにまともに会社に行けたのは一日だけということになります。
これはもう駄目だな、と思って、死ぬ決意を一層固めました。
これ以上生きていても人様に迷惑をかけるばかりの自分は、死ぬしかないと思いました。
電車に飛び込みたくなりました。
でも、車掌さんの顔が見えて、きっと自分の操縦する電車が人を轢き殺したらとても嫌な気分になるだろうな、と思って、止めました。
会社のビルから飛び降りたくなりました。
でも会社の人やその下の人や掃除をする人にとても迷惑がかかると思って、止めました。
死ぬこと一つするのにも、私は人様に迷惑をかけるばかりです。
余計悲しくなりました。
そうしているうちに、仕事中、社長から電話がかかってきました。
ちなみにうちの会社、「会社」なんて名前がついてますが本社なんてものありません。
名刺に書いてある会社の住所は社長の自宅です。
他の会社と業務委託契約を締結して(多分)、個々人それぞれの現場で働いています。
なので、私の働いている現場には、うちの会社の社長はいません。
いるのはうちの会社の部長と、あと業務委託先の現場責任者さんくらいです。
そんなわけで、社長から仕事中、携帯に電話がかかってくることがたまにあるのです。
社長は、うちの現場にいる部長から最近の私の様子を聞いて、心配して電話をかけてくれたようでした。
社長と、多分部長は、私の「持病」を知っているのです。
今の現場にはひたすらに「胃炎」という嘘で現在の体調不良と遅刻・欠勤を誤魔化してはいますが、本当は違うのだということを、社長は分かっていたようでした。
しばらく、一週間くらい仕事を休んでみたらどうだ、と言われました。
現場で何かつらいことがあるなら、違う現場に移動させることも出来る、とも言われました。
現場がつらいわけじゃないのです。
確かに多少気に食わない奴もいます。
冷房が寒すぎるのも大いに不満です。
でも、そんなのはささいなこと。
なんでこんなに悪くなっちゃったのか、自分でもよくわからないんです。
本当に休むことで自分が良くなるかもわからず、精神科の先生に電話で相談もしました。
「仕事を休めるなら、休んでのんびり寝ていたほうが良いでしょうね。また週が明けたらクリニックにいらっしゃい」と言われました。
だから、その後、部長とも相談して、今の仕事が片付いたら、来週の半ばくらいから一週間、お休みを頂くことにしました。
私は、社長の気遣いが嬉しかったのと、会社にそこまで迷惑をかけて申し訳ないのとで、一人トイレにこもって泣いてしまいました。
ボロ泣きでした。
なかなか目の充血が収まらなくてトイレから出られずとても困りました。
その後、部長から話を聞いた業務委託先の現場責任者さん(最近の人事異動で現場責任者さんになったばかりなので、まだ比較的若くて私みたいな現場の若者層と仲良しさんな人)が、心配して話を聞きに来てくれました。
でも一応社外の人には「体調不良」で通すらしい話を聞いていたので、曖昧に誤魔化しておきました。
私が「うつ病」なのは社内の秘密なのです。多分。
ちなみに、私が直接「うつ病」だと明かしたのはうちの会社の社長と、もう一人先輩の女の人だけなので、どこまで真実が行き渡っているのか自分でも分からず、話をするときにとても困ります。
あと、より正確には私は「うつ病」ではなく「気分変調性障害」なんですが、それは会社の誰にも話してません。
細かい違いなんて多分聞いても分からないだろうな、と思って「うつ病」で通してます。
しかしその「うつ病」という情報すら、どこまでの人に伝わっているかが謎。
私は別にどこまで伝わっていても全く構わないんですが、やっぱ会社の体裁というか戦略というか配慮というか諸々があるだろうし。
多分、部長は「うつ病」だと知っている、はず。
多分、業務委託先の人には「体調不良」ということにしてある、はず。
さらにその後、うちの会社の契約社員であるところの先輩(最近起業して社長さんになったみたいです)も、心配して調子を聞きに来てくれました。
「○○さん(部長)から大体の話は聞いたよ」と言っていたのですが、その「大体」がどこまでなのか私にはよく分からなかったので、こっちも曖昧に誤魔化しておきました。
さらに今日、社長と同じ現場で働いていて、その前は私と同じ現場で働いていた女の先輩が、心配して電話をかけてきてくれました。
多分社長が「お前ちょっと電話かけて様子聞いて来い」とでも言ったんだと思います。
うちの社長はそういう人です。
しかしその先輩にもどこまでの情報が行き渡っているかが分からず、やっぱり曖昧に誤魔化してしまいました。
でも、結局曖昧に誤魔化すばかりで、心配してくれた人に「大丈夫ですよー。すぐに元気になりますから」とか適当なことを答えるばかりでしたが、こうして沢山の人に気遣って貰える私は、幸せ者だなぁと思って嬉しくなりました。
同時に、こんなに沢山の人に心配をかけてしまって申し訳ないな、とも思って落ち込んでもしまうんですが(苦笑)
でも、つくづく良い会社に就職したな、って思いました。
鬱病が悪化しました。もう会社に行けそうにありません」って言ったら、首を切られるかと思ってた。
私の最近の勤怠は本当に酷くて、先週もまともに行けたのが一日だけ、その前の週は三日、とか、そういう、誰が見ても目をしかめてしまいたくなりそうな状態で。
まだ2年目で、仕事だってさして出来るわけじゃないし、ちうか新人だから社内で一番仕事出来なくて稼ぎが低いの私だし、普通にしてても会社のお荷物状態なのに、さらに会社に負担をかけるようなことを言ったら、もう本当に愛想をつかされると思ってた。
だけど違った。
思ってたより、世の中は私に優しかった。
昨日は、そんな感じで心がほっこり温まったり自分の迷惑っぷりにへこんだりを同時に味わって、プラスマイナスでちょっと元気が出たんですが、相変わらず病気のせいか薬の副作用かでボーっとしてしまって仕事の能率が全然悪くて、そんな自分にへこんで帰る頃には差し引きマイナスになってました。
仕事は結局昨日の納期に間に合いませんでした。
先輩の「月曜日でも大丈夫だから。そんなに焦んなくても良いよ」という優しい言葉が、とても胸に痛かったです。
死にたくなりました。
落ち込みながらも、気分転換がてら夕飯代わりに駅前に新しく出来たパン屋さんでサンドイッチでも買って食べながら帰ろう、と思っていたのですが、何故かちょうど混んでいて、バーゲンに群がるオバちゃんみたいな状態で次々と人が注文していく中、私はと言えば既に買うものも決まっていて手に持っていてそれを差し出すだけだったのに、後から後から人に抜かされてしまい、声を張り上げる元気もなく、ここで買うのは無理だ、と思ってそっと手に持った商品を元の場所に戻しておきました。
お店の人にはゴメンナサイ。
で、そこの隣にベーグルのお店があって、そっちはもうほとんど売り切れ状態で人もまばらだったので、そっちなら大丈夫、と思って注文しようとした矢先、横からやってきたOLさんにするっと先を越され、OLさんが終わって今度こそ…!と思ったらまたしても横からやってきた少年にするっと抜かされ、なんだか自分の愚図で鈍間っぷりが悲しくなってお店を後にしました。
もう夕食に何かを食べる気にはなれませんでした。
いつもの私なら、元気なときなら、普通の人なら、この程度のことで落ち込んだりはしないでしょう。
でも、今の私は、風が吹けば飛んで行きそうなくらいへなちょこに心が弱っていたので、この程度のことでしたが死にたくなりました。
電車の中で、食前と食後に飲む薬を一度に飲み干しました。
ついでに、もう何も考えたくなくてヒルナミン2錠も飲みました。
どうせ周りは飲み会帰りの酔っ払いばかりだったので、私だって薬でぐでんぐでんになってたって誰も気にかけやしないだろう、と思いました。
が、思いの外私は心が追い詰められていたらしく、ヒルナミン効果が全くなく、せいぜい足元がふらつく程度で真直ぐ家まで自力で帰れました。
帰るまでに、「○印の剃刀を買わなきゃ、○印、○印*1」とうわ言のように考えながら色んなコンビニに寄りましたが、残念ながら安全剃刀しか置いていませんでした。
安全剃刀では死ぬほど切れないので、何にも買わずに店を出て、余計悲しい気持ちになるばかりでした。
何やってるんだろう、私。
その間に、ずっと考えていたんですが、例えば、誰かが自殺したとして、周りの人は「どうして死んだんだろう」「何がそこまで追い詰めてしまったんだろう」とか、そういうことを考えると思いますが、それはとんでもなく馬鹿な議論で、実際に自殺するまで心が追い詰められたことのない人のする考え方なのかなって、思いました。
「どうして」なんて、ねぇ?
例えば、昨日の私だったら、「夕食のパンを買い損ねたから」。
昨日の帰りに、手元にすぐ死ねる自分が良しとする手段があったなら、自殺していたことでしょう。
追い詰められてる人間の背中を押す、直接的な原因なんて、きっとそんなもんです。
歩いていて肩がぶつかったから、満員電車が気持ち悪かったから、知らない人に舌打ちされたから、友達に電話をして繋がらなかったから、…そんな、他愛もない、ささいな理由なんです、きっと。
もしくは、死のう、死のうと思っていて、とりあえず自殺できそうなシチュエーションを整えてみて、さあちょっとやってみようかなって、その瞬間まで、特に自分を止めてくれるような「何か」が何もなかったから、とか。
要するに「うっかり」?
どこかに書いてあったけど、多分覚悟を持って自殺する人なんて、そんなにいない。
「死にたい」なんて、きっと誰でも一度は考える事で、別に全然自殺なんてものとは関係もない普通の人だって一度くらい考えたことがあったって、ちっともおかしくない。
だけど「死にたい、死にたい、死にたい」って、頭がそればっかりになっちゃったら、もうそれは普通の人とはちょっと違くて、もしかしたら本当に自殺してしまうかもしれない、誰かの助けが必要な人。
分かるかな?
上手に書けないけど。
例えば、誰か近しい人が亡くなって、悲しくて、「私も死にたい」って思うのは、普通のこと。
だけど、別にそういう何かがあったわけじゃなくて、何かがあったとしてもそれからもう随分経ったとしても、ずっとずっと「死にたい」ってことばかり思うのが、多分本当に死んでしまう人。
「死にたい」って、思い続けることは、多分普通の人には想像もつかないだろうけど、とても、とても、疲れてしまうんです。
だって「生きたい」んだもの。
私は、今、こうして生きていて、生きているから「生き物」と呼ばれていて、生まれて生きる理由なんてそんなの「生きるため」に決まっていて、心の一番奥で消えずに灯り続ける望みこそが、「生きたい」なんだもの。
だから、普通の人は「死にたい」と一度は願っても、それをすぐに消そうと心が働いてくれる。
だけど上手に心が働いてくれない人は、「死にたい」と「生きたい」の相反する望みが、ずっとずっと心の中で闘い続けることになる。
だから疲れる。
だから、例えばほんのちょっとの「不満」や「悲しいこと」で、「死にたい」気持ちがちょっとだけ有利になって、本当に死んでしまう。
じゃあ、そんな風に「死にたい」が心の中に棲み付いちゃった理由は何だろうって聞かれても、そんなの本人だってよく分からない。
いくつかの悲しい出来事かもしれないし、元々の自分の性格かもしれないし、「死にたい」を消すための力が足りなかったからかもしれないし、「死にたい」という願いがあまりにも大きすぎたからかもしれない。
わかんないよ。
心理学の偉い先生だって、そんなの分からないんだから。
いくら故人に近い人間だって、所詮は本人じゃないのに。
本人だって分かってないことを、誰が分かる?
だから、自殺した理由について、周りの人間が考えをめぐらせることは、なんだか滑稽で馬鹿なことだなぁと、電車の中、ぼんやりした頭で思った。
きっと、多分、遺された人には、悲しくて悲しくて、悲しみをぶつける対象欲しさに考えずにはいられないんだろうけど。
だからね、もし、私が死んだら、その理由は「私が生きるためにはあまりに弱かったから」ということにしておいてください。
恨むのなら、私の弱さを恨んで欲しい。
ずっと、そんなことを考えていたら、気付いたら家に着いていて、私は泥のように眠った。
多分服薬量は間違えてなかったと思うので、ちょっと疲れてたんだと思う。
今日一日、起きる気力がなくてずっとベッドの上で眠り続けて、今、こうしてやっと少しは落ち着くことが出来ました。
私は今、生きています。
明日の私が「死にたい」という願いに勝ち続けられるか、それともついに負けてしまうのか、今の私には分かりませんが、でも、こうしてまだ私は生きています。
そして、出来れば明日も、明後日も、生きていたいなぁと、思っています。
未来に希望なんてなくて、将来の夢とか、目標とか、そんなものを聞かれたら目の前が真っ暗になるけど、それでも、「答えが見たければ生きること」と、今年のライブの最後に叫んだCoccoの言葉を胸に頑張って生き続けたいと思います。
あれはないよホント。思わず泣いちゃったもん。
あと「バイバイパンプキンパイ」とかね…夏くらいにシングル出ないのかなぁ。
私の勘違いで思い込みかもしれないけど、Coccoは、生きることにとても苦しんで来た人のように見えて、つい自分と重ねてしまって(随分と失礼な話だけども)、だから、今の必死に前向きに生きようとするCoccoを見ることは、いつだってとても私の励みになってる。
ごめんね、もしかしたら、他の誰のどんな言葉よりも。
私も、あんな風に、強く、強く、真直ぐに立つことが出来たなら、と思います。
生きたいよ。

*1:リストカッターの間で「よく切れる」という噂の剃刀。よい子は真似してはいけません。あとメーカーさんにご迷惑がかかるといけないので伏字にしました