帰郷

ちゃんと帰ってきました。


実は、生まれた病院を見てきました。


私はずっと、もしタイムマシンがあったら自分の生まれた瞬間に行って、この手で赤ん坊の自分を殺してやるのにって思ってた。
私は自分で死ぬこともできない臆病者だけど、きっと自分じゃない自分を殺すことならできると思った。
だけど、生まれた日の、生まれた時間、生まれた病院を見ながら、もし今ここが何十年前の自分の生まれた日だったら、私はどうするだろうって考えた。
今まさにここで、自分が産声を上げて、この世に生まれたときなら、そうしたら、今までずっと考えていたように自分を殺しに行くだろうかって。


できない、と、思った。


多分、この瞬間、私はきっと色んな人に祝福されて、母の腕に大事そうに抱かれているんだと、そう考えたら、できなかった。
私はその子がどんな人生を歩んで何を考えるかも知ってるけれど、それでも、きっと幸せになる道もどこかにあるのなら、頑張って生きて欲しいと思った。


私は馬鹿だ。
何度死にたいと思っても、何度死ぬべきだと思い知らされても、どんなに生きることに疲れても、それでもどこかに私が生きて幸せになる道がある気がする。
どんなに馬鹿なことだと思っていても、どうしてもその思いだけは捨てられなくて、今も生きてる。


でもきっと、人間ってそんなものなんじゃないかなぁ。
きっとどこかに希望を持ってるから、つらくても打ちのめされても頑張って生きてるんじゃないかな。
希望が見えなくなったとき人は死ぬんじゃないだろうか。
推測、というか、憶測だけど。


でもだから、私も頑張って生きなきゃな、と思った。
遠い過去の自分に願ったように、私は私を幸せにしてあげるべきなんじゃないかな。


とは思ったものの、幸せとかよく分からないのでまた精神科に行ってこようと思います。
旅行疲れで多分微妙に鬱になってるから。
ぬぬぬ。
がむばる。